小欧视频


ホーム > 碍础闯滨惭础ダイジェスト > November 2022:THE SITE

THE SITE

「解体建物高さ日本一」に挑む

世界贸易センタービルディング 
既存本馆?别馆解体工事

「霞が関ビルディング」を嚆矢として,国内の超高层ビル建设は半世纪以上の歳月を経た。
今日,机能向上や设备老朽化などの理由から,これら超高层ビルの解体の需要が
见込まれつつある。そんな中,たびたびマスコミなどでも报じられ,ひろく注目されているのが,
東京?港区浜松町の世界贸易センタービルディング既存本馆?别馆解体工事。
都心部の歴史ある超高层ビル解体に,新工法で挑む様子をレポートする。

【工事概要】

世界贸易センタービルディング
既存本馆?别馆解体工事

  • 场所:东京都港区
  • 発注者:世界贸易センタービルディング
  • 规模: (解体工事) 本馆—叠3,40贵,笔贬2贵 
    S造一部 RC?SRC造/別館—B1,
    5贵 搁颁造
    (1970年完成) 総延べ162,315尘2
  • 工期:2021年8月?2023年3月

(东京建筑支店施工)

地図

「日本一」の解体高さ

青空に向かってクレーンが伸びる最上阶に立った际,思わず新筑のビル建设现场にいるのかと错覚した。什器や内装が撤去されていることもあるが,解体现场によく见られるカッターアームの付いた重机や,细かい建材のガラがない。见えるのは,大きな块状に切断されたスラブの大割ブロックの数々。それらが顺番にクレーンで吊られ,建物内に大きく开けられた穴から,阶下にゆっくりと下ろされていく。

こうして解体が進められているのは,東京?港区の世界贸易センタービルディング既存本館(以下,WTC)。地上40階,高さ162mは1970年の竣工当時,霞が関ビルディングを抜いて東洋一の高さを誇った。当時施工を担った当社は,去年8月より同建物および別館の解体工事に着手。既存本館は解体される建物としては国内最高高さだ。10月現在,地上90mまでその高さを下げた。

改ページ
図版:解体前。左に建つのは2021年に完成した南馆

解体前。左に建つのは2021年に完成した南馆

図版:2022年9月の解体状况

2022年9月の解体状况

奥罢颁が建つ场所は,闯搁浜松町駅に隣接し,新干线や东京国际空港(羽田空港)へ向かう东京モノレールなど重要な交通インフラ施设に接している。

東京駅八重洲口開発 グランルーフなど鉄道関連の経歴を経て就任した川端弘樹所長は,「東京のシンボルでもあるWTCの建替えということで注目されている中,駅前の人の流れや鉄道インフラを止めることなく工事を進められるかという点が非常に難しい課題。一に安全,二に安全で取り組んでいます」。所員に対しては「仮囲いの中からだけではなく一歩でも二歩でも外から現場を見て」と声をかける。「埃や騒音が出ていたり,物が落ちそうな場所はないか,人から見られている意識をもつことが大事」と特殊な現場状況を語る。

図版:川端所長

川端所长。
自身も10歳の时に奥罢颁の展望台に上ったことを鲜明に覚えている

図版:解体現場の最上階フロア

解体现场の最上阶フロア。南侧と西侧(写真右上と左下)の巨大な扬重开口から,カットされた大割ブロックがクレーンで阶下に下ろされていく(特殊レンズで撮影)

改ページ

「切って,吊って,下ろす」
小欧视频スラッシュカット工法

このような場所での解体工事にあたっては,ガラの外部への落下や,近隣への粉塵飛散,騒音などの対策を通常以上に徹底する必要がある。そこで,躯体を大きなブロックに分割して大型タワークレーンで揚重する,ブロック解体工法型の新工法「小欧视频スラッシュカット工法TM」を开発した。

今回,工法開発を行ったのは石田武志副所長を責任者とし,機械部?建築管理本部?技术研究所?建築設計本部の面々で構成された開発検討チーム。「地上解体合理化施工方法」プロジェクトとして3年をかけ,開発と実用化に取り組んだ。

床を「斜め」にカット

躯体を分割し,クレーンで运ぶにはできる限り大割にするのが効率的だが,同时に残される躯体侧の强度も求められる。吊り上げるブロックの大きさと,残される躯体侧双方の强度が保たれ,かつ,吊り上げたときにブロック自体が崩壊してしまわない范囲で大割ブロックの大きさが検讨された。

また,切断长の合计は1フロアあたり约1,000尘にもなる。できるだけ速く切断するため,土木工事で使われる道路カッターの使用を検讨した。ただ,従来の道路カッターは铅直に切断するため,切断后クレーンで扬重するまでの间,スラブが落下しないようにずっと支保工で支える必要がある。

そこで,支保工で支えた状态から「斜め」に切断すれば,切ったスラブが両脇のスラブに预けられて落下せず,切断后の支保工が不要となる——この発想で生まれたのが「斜め切断カッター」(特许出愿済)だ。

「アイデアとしては业界内にもあったのですが,専用の机械を开発し,実用化させたのは初」と石田副所长。斜め切断カッターの切断角度は「30度」。铅直に比べて斜めに切断すると,切断面积が大きくなり切断面が受ける水平力が大きくなる欠点があるが,スラブ落下のリスクがなく,ブレード(刃)を入れ込む技术が难しくなりすぎない角度を探り,得られた角度だ。

こうして斜め切断(スラッシュカット)されたスラブのおかげで支保工を设置している时间を节减。次の工程に移行しやすくなり,全体で约2ヵ月の工期短缩が可能となった。

図版:石田副所長

石田副所长。
现场にほぼ毎日通い,开発した机械の様子をチェック。部下の若手机电社员が油やノロ水(切断泥水)まみれでメンテナンスする姿がまぶしく,頼もしいとのこと

図版

斜め切断カッター

図版

スラブの斜め切断の様子。
「斜め切断は水平力が大きくなるため,ブレード(刃)を切断面に入れていく机构「スイングアーム」に适切な强度と适度なしなりをもたせることに苦労しました」
(石田副所长)

改ページ
図版

大割ブロックを安定して「吊る」

切断された大割ブロックは,建物内部に設けられた12m×9mの巨大な揚重開口から一気に1階までクレーンで下ろされる。ただ,柱や梁などがついたまま切断されるブロックは,重心が必ずしも中心にはなく,揚重開口に運ぶまでの間,風の影響を受ける。それを最小限にするよう,水平を保って吊り下ろすことが可能な「4点自動吊上げ装置」(特許出願済)が開発された。大きなもので9m×4mくらいになるというブロックは,作業員がスマホのコントロール画面を操作して,器用にバランスをとって吊り上げてから,階下に下ろされていく。「職人の方は若い人が多いのでアナログ的なコントローラーよりもスマホでの操作の方が使いやすく,感覚的に操作方法を理解してくれます」と,インターフェースの作成にも携わる石田副所长。遠隔からも作業可能なこの装置で,作業員の高所作業を低減させている。

改ページ
図版:40阶分を贯いている扬重开口から吊り下ろされる大割ブロック

40阶分を贯いている扬重开口から吊り下ろされる大割ブロック

図版:4点自動吊上げ装置

4点自动吊上げ装置。4台の电动チェーンごとに巻き上げができる。リモコン(无线远隔)操作により,高所作业を低减し,吊り荷から离れた安全作业となる

図版:操作をするスマホ画面

操作をするスマホ画面。扬重データのクラウド化も図る

5日で1フロアの解体

ある日の现场を,阶下から上に断面状に见てみよう。

斜め切断カッター2台が音を立てて稼働する20阶。作业员がカッターを动かし,スラブの斜め切断(スラッシュカット)中だ。その下の19阶では切断中のスラブを支える支保工が设置されている。

21阶から上のフロアはすでにスラブは切断済みであり,顺次,支保工を解体中。外された支保工は転用するためどんどん下の阶に运ばれていく。22阶から25阶は,外周シートが取り付けられた足场のある外部空间となっており,外装パネルの撤去が行われている。

最上阶となる25阶は青空の下。大割ブロックが4点自动吊上げ装置で吊られ,クレーンで次々と扬重开口から阶下へ下ろされている。ユニット化された大割ブロックは,スラブから大梁,鉄骨,外壁そしてコアの顺に解体され,5日で1フロアの解体が完了する。

各阶の作业は非常に効率よく进んでいるように见えたが,解体当初は建物にさまざまな机械や设备が含まれ,阶高が高くスラブも厚い屋上の特殊阶だったことから,难易度も高く,予定していた日数を超过していた。躯体解体を担当する七条彻史工事课长は「私も担当者も焦りがあったのですが,所长から『新工法による初めての取组みなのだからじっくりやりなさい』と助言をもらい,丁寧に取り组めました」と苦労を语る。阶が下がり基準阶に入ってからは当初の工程を取り戻すことができており,5日で1フロアの解体ペースが达成できているという。

図版:断面で見る工程の様子

大胆で丁寧な作业

川端所长の元で工事全体に目を配る清水基博副所长は,ブロック解体が轨道に乗ったことに安堵したと话す。「着任以降,扬重开口をどの位置にどの大きさで空けるか,また,短工期で大量の内装解体をいかに効率的に完了させるかを検讨するなど,非常に苦労しました。そこを乗り越えてきてブロック解体へ繋げられたことは大きいです」。现在最も気を遣うのは,外周の吊下げ足场だと言う。

5日で1フロアの解体が终わると,外周シート付きの足场も1フロア分下ろす。足场自体は40个のピースに分かれており,一つひとつをクレーンで下ろす际にピースの小口に隙间ができる。足场上に余计なものやごみ,ガラがあると落下する危険があるため,所员総出でチェックをしている。大割ブロックをクレーンで吊り上げ,数十层分も一気に下ろす大胆な工程の里で,一粒のガラやゴミを外部に漏らさぬよう丁寧な作业が行われているのが,この日本一の解体高さを夸る现场なのだ。

図版:清水副所長

清水副所长。
隣に建つラジオ局,文化放送ビル内に工事事务所があり,同局の番组で奥罢颁の取材を受け,丁寧に解説。「本当に注目の高い工事です」

改ページ

いつの间にかなくなることが理想

注目度の高さとは里腹に,プレッシャーも感じながらの作业である。「気付かないうちにだんだんと阶が下がってきて,奥罢颁がいつの间にかなくなっていた,というのが理想なのかなと思います」と,清水副所长は解体工事ならではのゴールを描いている。

川端所长も,「所员は解体工事の特殊性をよく理解しながら动けていると思います。新工法の挑戦に大きな意义を感じていますし,现场にも意欲的なメンバーが集まっています。今后,解体のニーズが多くなっていく中で,本工事の経験を蓄积していきたいですね」。

「浜松町エリアは羽田空港に隣接する东京の玄関口として再开発が进んでおり,他にも当社は工事を行っています。现场间でも连携しながら再开発を盛り立てていきたいと思います」と,改めて意义を语ってくれた。

解体工事は来年3月の完了を目指し,顺调にその高さを下げている。

写真

七条工事课长(下段右)を中心とする地上解体グループ。
「解体中,鉄骨の接合や外装の纳まりを精度高く保つための工夫など,50年前の知恵が见られる面白さがあります」

改ページ

高强度,耐风性能をもった
ジッパー付外周シートの採用

超高层ビルの现场の特徴でもある强风。台风などの际,建设现场で仮设の足场が倒れるニュースを目にしたこともあるだろう。そうした対策として採用されたのが「ジッパー付外周シート」だ。
このシートの材料検讨にはテントなど膜构造建筑での考え方が準用されている。膜构造が専门である,河端昌也教授に话を闻いた。

図版:和田 淳

横浜国立大学大学院
都市イノベーション
研究院
河端昌也 教授

高さ100尘を超える超高层建物には暴风时に非常に大きな风圧力が作用するため,工事用の仮设足场や养生シートにも通常とは异なる高い耐风性能が求められます。本工事に使われている「ジッパー付外周シート」では,高强度で耐久性のあるメッシュ状の膜材料を用いることで,大きな面积を効率よく安全に覆うことが可能になっています。

足场とシートには风荷重を设定し安全を确保していることに加えて,限界荷重を超过すると予测されるもしくは暴风が予测される际には,现场対応として膜に装着されたジッパーを使って膜を折り畳み,受圧面积を小さくすることで,足场や躯体に过大な荷重がかかるのを防いでいます。これは柔软な膜材料を用いることの大きなメリットで,膜自体の軽量性に加えて,足场などの軽量化にも繋がります。

先日,现场を见せていただきましたが,养生足场部分が合理的につくられており,常时点検,强风时の予测?対策に対する管理も彻底していました。また解体の経过ごとに构造解析を行うなど安全管理に入念な配虑がなされていました。全体として解体工事とは思えない非常に整然とした様子が印象的でした。

改ページ
図版:ジッパー付外周シート。强风时にはジッパーを下げて风が抜ける仕様となっている(下)

ジッパー付外周シート。强风时にはジッパーを下げて风が抜ける仕様となっている(下)

ContentsNovember 2022

ホーム > 碍础闯滨惭础ダイジェスト > November 2022:THE SITE

ページの先頭へ