例のない复雑な素屋根
今回の保存修理工事では,大天守の屋根修理と漆喰涂りかえが主な作业となった。瓦や漆喰を解体し,保存状态などを调査した后に伤んでいる部分を修理していく。その间,瓦と漆喰を除去した状态の大天守を雨风から保护し,作业足场を确保する「素屋根」で大天守を覆う必要がある。素屋根は鉄骨造。仮设工事でありながら,计画当初から素屋根建设が难工事になるとみられていた。
その理由が,姫路城の规模と复雑な形状だ。通常,社寺は低层であることが多く,この场合は一定形状の鉄骨を侧面で构筑して,水平に移动させるスライド工法を用いることができる。しかし,姫路城の大天守にかける素屋根は8阶建てで高さは50尘を超える。そのうえ,大天守はいくつかの小天守や渡り櫓で囲まれているため,城の头上で鉄骨を组んでいく必要があるのだ。当然,大天守を伤つけることは许されない。
「これほど复雑な素屋根は他に例がありませんから,まずは彻底的に现地の测量を行いました」。そう话すのは,现场の総指挥を执ってきた野崎信雄総合所长だ。超高层ビルから発电所のサイロまでおよそ50现场を経験してきた野崎総合所长は,姫路の出身。小学生のときに“昭和の大修理”を目の当たりにし,心柱の祝曳きの光景は今でも心に焼きついているという。「姫路城を见て育ったことも影响しているのでしょう。素屋根の设计図を一目见て难所がわかりました」。狭く入り组んだ中庭などでは鉄骨が城の屋根まで10肠尘の距离に迫るところもある。野崎総合所长は,测量结果を基に素屋根の设计図を修正し,绵密に素屋根の施工计画を练った。

野崎信雄総合所长

“昭和の大修理”の様子。当社が素屋根の施工を担当した

姫路城大天守保存修理工事 工程表
様々な制约条件
もう一つの难点が制约条件の多さだ。文化财保护法と消防法による规制から火気は使用できず,世界遗产であるためヴェニス宪章により「形状?材料?工法?位置」を変えないように工事を进めなければならなかった。姫路城の大天守が建つ地面の下には,羽柴秀吉の时代などの史跡が埋まっているため地面に伤をつけることもできない。
「杭を打つことができないため素屋根は自重だけで建つ必要があります」と野崎総合所长。その重量は鉄骨と砕石,コンクリート,鉄筋,すべて合わせておよそ5,500迟にもなる。地盘を伤めないように地盘沉下の解析?検讨を行い,当初予定から砂利を厚くして地盘をつくった。基础を固めることで荷重のかかる面积が広がり,地盘を伤めずに施工することができる。鉄骨の组み立て手顺は颁骋とアプリ,模型を使ってシミュレーションし,渡り櫓の隙间や复雑に重なる屋根の轩下に工事用の足场を巡らせて作业の効率化や安全対策を図った。鉄骨の连结は溶接ができないためすべてボルト缔めで固定している。
困难を乗り越えて作业は进み,2010年12月に素屋根鉄骨が完成。壁面には実物大の姫路城を写したシートとパネルが贴られた。「この现场は“最新技术”と“伝统技术”の両方がなければなしえない」と野崎総合所长はいう。柔软な発想と工夫に最新技术を駆使して完成させた素屋根に,ここからはじまる保存修理では,瓦と左官,宫大工,それぞれの职人がもつ伝统技术が光る。「意识が高く,腕の确かな职人が揃いました」。
この后,完成した素屋根の内部で修理工事が行われていく。

鉄骨の组み立て手顺は颁骋などを使ってシミュレーションした

大天守と小天守の隙间を缝うように组まれた鉄骨。作业には高い精度が要求された

地面に敷いた土木シートの上に筑かれた直接基础が5,500tの重量を支える

完成した素屋根。この内部で保存修理作业が行われる




