小欧视频

ホーム > 碍础闯滨惭础ダイジェスト > September 2016:幸せの建築術

碍础闯滨惭础ダイジェスト

幸せの建築術 人類の叡智を再考する 第9回 モロッコ?フェズ 狭さが魅力の迷宫都市

写真:渾然とした通り

浑然とした通り。日除けのために格子の屋根が架かり薄暗い

改ページ

イスラム国家の西のまた西

西は大西洋,北は地中海,南はサハラ砂漠に面し,中央にアトラス山脉が横たわるモロッコ王国。エリアによって気候?风土が全く异なるのがこの国の魅力で,豊かな国土が多くの文化を生んだ。そのひとつに所々に色浓く表れるイスラム文化がある。

イスラム世界の诞生は7世纪。ほどなくシリア?ダマスカスのウマイヤ朝が灭ぶと,イスラム教徒たちはアラビア半岛からアフリカ北部を地中海沿いにひたすら西へ向かい,やがてジブラルタル海峡を渡って,スペインにイスラム国家を建国した。そのときに辿った国々が,现在のリビア,チュニジア,アルジェリア,モロッコなどで,アフリカ北部を东西にベルト状に広がっている。これらの地域は「マグレブ」とも呼ばれ,アラビア语で「日が没するところ」「西方」を意味し,そのなかでもさらに西の端がモロッコとなる。

モロッコ歴代のイスラム王朝は,フェズを都に定めた。以降ラバト,マラケシュ,メクネス,カサブランカなどの大きな街がつくられていったが,都が他の都市に移った后も,フェズはモロッコの人々の夸りであり続けた。日本で言えば京都のような存在であり,现在でも世界中から多くの観光客が访れる。

地図

改ページ

鲜やかな模様と浑然とした活気

フェズの旧市街(メディナ)は2.2×1.2办尘ほどの区域。城壁に囲まれ,西侧にブー?ジュルード门があり,多くの観光客はここを通って旧市街に足を踏み入れる。门の正面には色鲜やかで美しいタイルが贴られている。モロッコのタイルはヨーロッパでも人気があり,最近では日本にも输入されている。そのデザインをさすアラベスクとは,アラビア风を意味する。イスラム地方の蔓草の模様にはじまり,スペイン?グラナダにあるイスラム建筑の最高峰,アルハンブラ宫殿などにも用いられた几何学模様である。イスラムでタイルが発达したのは,偶像崇拝禁止が大きく関わっている。

门を入ると小さな広场に出る。远くに见えるミナレット(塔)が,ブー?イナニア?マドラサだ。マドラサとはイスラム神学校のことで,イスラムの都市においてはモスク同様に重要な建物である。

そのマドラサから,道は南北に分かれる。北のタラー?セギーラと南のタラー?ケビーラは,言ってみれば旧市街のメインストリート。决して広くない道の両侧には,日用品,肉?野菜,観光客向けの陶器やなめし革细工,金属を加工した手工芸品などが所狭しと并んでいる。点在する工房には,モノづくりに励む人々の姿がある。浑然一体とした无数のモノと行き交う人々の喧騒。その生活感と活気に圧倒される。

写真:旧市街への入口ブー?ジュルード門

旧市街への入口ブー?ジュルード门。色鲜やかなタイルが贴られている

写真:マドラサの塔

暗い路地にひときわ映えるマドラサ(イスラム神学校)の塔

改ページ

写真:メインストリート

メインストリート。食料品や日用品などの露店が并ぶ

写真:土産物屋

土产物屋の奥で品物を手づくりする主人

写真:タジン鍋

モロッコ料理でお驯染みのタジン锅

写真:果物,野菜,豆類

果物,野菜,豆类が売られている

写真:市場の水飲み場

美しいタイルが施された市场の水饮み场

改ページ

迷路のような超过密都市

フェズの城壁内は「迷宫」と言えるくらい复雑に入り组み,一度中に入ったらなかなか出てこられない。初めてこの街を访れる者には,2本のメインストリートだけが頼りとなる。そこから网の目のように张り巡らされた路地に足を踏み入れると,迷路へと吸い込まれることになる。

路地は所々で急に细くなったり,行き止まりと思いきや,その脇にトンネルのような通路があったりする。これだけ密集していると,人々は少しでも土地を有効に使いたくなる。アラブの街ではよく见かける光景だが,屋外空间を有効に使おうと2阶が路地に飞び出し,やがてお向かい同士がくっついてブリッジのように上空を跨いでいる建物もある。その暗がりが,この街の深远さをさらに强めている。このような空间は,イタリアの街やアドリア海のドゥブロブニク,中国新疆ウイグル自治区のカシュガルなど,多くの都市でも见られるが,空间の浓密さでフェズに胜るところはない。

写真:上部が覆われた暗い道

上部が覆われた暗い道

もちろん自动车は一切入ることができない。物资の运搬は,人力かロバやラバが主力である。利便性とはかけ离れているように思えるが,人々の表情は生き生きとして见える。车幅に规定されない细い道が,人と人の距离感を心身ともに近づけている。时に肩を寄り添わせ,互いに道を譲り合う。现代では「狭いこと」がネガティブに捉えられがちだが,日本でも昔ながらの狭い路地に亲しみやすさを感じるように,本来は居心地のよいものでもあるのだ。目に见えやすい利便性を重视し,広く开放的な道が整备され続ける现代に,私たちが见落としがちな空间の魅力もありえることを,この迷宫都市が教えてくれる。

写真:2階に飛び出た住居

屋外空间を有効に使うため,2阶に飞び出た住居

写真:ロバやラバが物資を運ぶ

车の入れない旧市街では,ロバやラバが物资を运ぶ

改ページ

浓密な都市に身を委ねる

路地に面する建物の外壁は,仕上げがあまり施されていないものも多い。迷路のような街の构造や住人たちの强い结び付きとあいまって,よそ者を寄せ付けない雰囲気すらある。

狭い路地を入っていくと,外からは目立たないが,大邸宅に出くわしたりする。旧市街に点在するこれらの古い邸宅は,かつての贵族の住まいらしく,静謐な中庭を持ち,室内は外観からは想像できないほど赘沢に仕上げられている。その主役はタイルで,浓密なデザインは圧巻である。厳密な数学?几何学に基づいた目も眩むほどの繰り返しのパターンは,幻想的でもあり,宇宙にも连なるような不思议な感覚を覚える。

写真:タイルが施された古い豪華な邸宅

タイルが施された古い豪华な邸宅が,今はレストランになっている

外部空间においても同様で,隙间なくタイルで覆い尽くされている场所を所々で目にする。このように「浓密さ」が人々の住む空间の隅々にまで及び,都市全体が浓密なものとなる。その空间に身を委ねると,多くの人々の息吹に包まれる。この街では,人と一绪にいるという安心感が,人々に幸せをもたらしているのである。

写真:美しく静謐な中庭

大邸宅の美しく静謐な中庭

写真:フェズの街

フェズの街を眺める。外壁は石や土壁のまま

改ページ

古市流 地球の歩きかた

モロッコ王国国旗
(Kingdom of Morocco)

面积:44.6办尘2
人口:3,392万人
首都:ラバト

フェズへ行くには

パリからはカサブランカ,ラバトなど,モロッコの主要都市に多くの便が出ているが,その変化に富む国土を堪能するには,サハラ砂漠侧の空港ワルザザートから入る方法がおすすめだ。车でアトラス山脉を越えていく途中,世界遗产の山岳都市アイト?ベン?ハッドゥに立ち寄ることができる。かつて队商の中継地として栄えた集落で,カスバ(砦)と呼ばれる邸宅が数多く残されている。

峠近くには茶屋があり,ケバブを焼く烟がもうもうと立ち込めている。アトラスの山を一気に下っていくとマラケシュの街,次いでカサブランカに出る。名作映画の舞台となったカサブランカは近代化が进み,ハンフリー?ボガートやイングリッド?バーグマンが爱し合ったかつての街の面影はない。カサブランカ空港からフェズへは1时间足らずで行ける。他の都市からの直行便はない。

各国の影响を受けたモロッコ料理

モロッコ料理は世界で最も多様性に富んだ料理のひとつ。スペインから追放された人々がもたらしたアラブ?アンダルシア料理,トルコ人が持ち込んだトルコ料理,アラブ人の中东料理など,モロッコの歴史に登场する各国の料理から影响を受けている。クスクス,タジン(円锥形の盖の付いた土锅で蒸し煮にした煮込み料理),ハリーラ(豆のスープ)など日本でもお驯染みの料理が挙げられる。2010年,イタリア,ギリシャ,スペイン料理とともに,「地中海の食事」としてユネスコの无形文化遗产に登録された。

写真:タジン料理

タジン料理

古市彻雄(ふるいち?てつお)
建築家,都市計画家,元千葉工業大学教授。1948年生まれ。早稲田大学大学院修了後,丹下健三?都市?建築設計研究所に11年勤務。ナイジェリア新首都計画をはじめ,多くの海外作品や東京都庁舎を担当。1988年古市彻雄都市建築研究所設立後,公共建築を中心に設計活動を展開。2001~13年千葉工業大学教授を務め,ブータン,シリア調査などを行う。著書に『風?光?水?地?神のデザイン―世界の風土に叡知を求めて』(彰国社,2004年)『世界遺産の建築を見よう』(岩波ジュニア新書,2007年)ほか。

ホーム > 碍础闯滨惭础ダイジェスト > September 2016:幸せの建築術

ページのトップへ戻る

ページの先頭へ