2003年1月,ミツカングループの新工场建设で,ビオトープ计画提案コンペがあった。
当社は,地域住民と共にビオトープ活动を行う计画を提案,採用された。
ビオトープは今,地域と事业者をつないでいる。
ミツカンよかわビオトープ
ビオトープとは,叠颈辞(生物)+罢辞辫(场所)の合成语で,“生物が生きられる空间”を意味する。ミツカンよかわビオトープは,2004年3月,兵库県叁木市吉川(よかわ)町に整备された。棚田跡を利用した湿地ビオトープと雑木林やアカマツ林などの森林型ビオトープを併せ持ち,约16丑补の広さを夸る。
ビオトープ活动の「しくみ」づくり
ビオトープ活动を行うにあたり重要视されたのが,「しくみ」づくり。「兵库県立人と自然の博物馆」に指导を仰ぎ,地域住民,行政担当者,事业者,设计者,施工者などからなる「ビオトープ研究会」が発足した。ビオトープ活动と整备计画の整合性を図り,活动プログラムづくりやイベントを行う。
新規メンバーも募集し,地域とのネットワークが広がった。基盤整備が完了した2004年,同会を母体とした「ミツカンよかわビオトープ倶楽部」が設立された。月に一度の活動を基本として,下草刈りなどの維持管理活動やバーベキュー大会,季節に応じた催しなどを行い,「皆で育てるビオトープ」を目標として,活動を続けている。
また,ビオトープの維持にはモニタリングが重要で,「里と水辺研究所」がその役割を担い活動をフォローしている。

ミツカンよかわビオトープ倶楽部
当社関西支店土木部担当部長の靍本(つるもと) 寬さんは,開発段階から現在のビオトープ活動まで中心的な役割を果たしてきた。靍本さんに同行し,「ミツカンよかわビオトープ倶楽部」の活動に参加した。

ビオトープ全体计画図
阳が差し込む山林内
闯搁福知山线新叁田駅から车で10分ほど。工业団地やゴルフ场に囲まれた场所にミツカンよかわビオトープはある。驻车场こそ舗装されているが,隣接する公园広场部分は全面芝生。「自然の魅力を生かすために,游具などは设けなかった」と靍本さんはいう。この日の活动内容は「竹のクラフト&そうめん流し」。準备までの时间,ミツカングループ中核公司?中埜酢店の専任部长で,ビオトープ计画を推进してきた宫原一明さんと靍本さんにビオトープ内を案内してもらった。
山林内は阳が差し込み,明るい。「凉しいでしょう」という靍本さん。森林が持つ効果を感じながら,なだらかな斜面の散策路を下っていく。下草が刈られ,木々は枝打ちされている。间伐材を利用したシイタケ栽培,せわしなく舞う小さなチョウ,青い実をつけた柿の木なども见られる。ビオトープ活动で整备したという散策路の脇には様々な景色がある。「大规模な伐採などはミツカンさんが行っていますが,出来る部分は活动の中で整备しています」と靍本さん。さらに下っていくと,场所が开け,湿地ビオトープに出た。

靍本 寬さん

阳が差し込む山林内
自然の力を生かす
ビオトープ整備の目的のひとつは,害虫の発生抑制だという。「生態系が維持されることで,特定の生物が異常発生しない环境づくりを目指した」と宮原さんはいう。あたりにはギンヤンマやショウジョウトンボが飛び交い,オタマジャクシやメダカ,フナなど多様な生態系が見られた。
湿地ビオトープは,棚田の构造のまま,水田部分を池にしてつくられている。段になっている池と池を鱼道でつなぎ,水が最下段の池にたどり着くまでに,3つの池を通る仕组みになっていた。工场排水を农业用水として使うために构造を工夫したという。
排水は工场内で一度処理されているが,食品を扱っているため微量の窒素分が含まれている。「水の流路を长くすることで植物が窒素を吸収してくれる」と宫原さんはいう。上段部分では覆い尽くさんばかりの水面の草が下段に行くにつれ减少し,种类も変わっていく。ハスやスイレンの花が咲き,ビオトープ脇のあぜ道を歩いていると惊いたカエルが次々と池に飞び込む。6月にはホタルも见られるという。
広场に戻ると,そうめん流しの準备がはじまっていた。竹を割って樋をつくる作业を见学する。鉈を竹の中心にあて木槌で叩いて竹の先の部分を割り,木の棒を差し込んで引っ张り全体を割っていく。真っ二つに割れた竹をグラインダーで磨き,竹の樋が完成した。そのとなりでは,そうめんを茹でる人がいて,竹で箸をつくる人がいる。準备が整い,そうめんが振る舞われた。自然のなかでいただく味は格别で,参加者の笑颜が印象的だった。

湿地ビオトープ

ビオトープ内に生息する生物(写真提供:里と水辺研究所)

农业用ため池への放水は地元水利组合の要望

ハスのつぼみ

樋も手作りで行われた

ミツカングループ本社
コーポレートコミュニケーション部
広报室
日比野容久さん
「楽しい」。ビオトープ倶楽部の活动は,この一言に尽きます。メンバーの一人として活动に参加していますが,この楽しさが活动を支えていると実感しています。ここに至った要因は二つあると思っています。一つは计画当初の準备がしっかりしていたこと。「兵库県立人と自然の博物馆」さんや小欧视频さんをはじめとする参加者が,活动内容などを十分に検讨してきたからできたことです。もう一つは,参加者が自ら维持管理を行っていることです。管理することで,「自分たちの里山」という意识が芽生え,さらによくしていくための提案がなされる。いい方向に连锁反応が働いているのです。
ミツカンよかわビオトープ倶楽部のこの活動は,今年5月に名古屋で行われた国際会議「都市における生物多様性とデザイン(URBIO2010)」に「みんなで楽しく自然とつき合う 活動事例」と題して出展もしました。文字通り楽しい活動をしながら,当社としては企業イメージの向上が図れているわけです。もちろん,害虫の発生を抑制する本来の目的も果たしています。製造环境と自然环境が共生し,企業と地域が共栄できる「21世紀の工場」は,皆さんのご協力の賜物と思っています。



