敷地と建物と要望に合わせて练り上げた水灾害予防策を実装する対策工事。ここでは2020年8月に当社の设计?施工で完成した弘前航空电子(青森県弘前市)の止水壁を例に绍介する。
弘前航空电子洪水対策工事
- 场所:
- 青森県弘前市
- 発注者:
- 弘前航空电子
- 设计:
- 当社建筑设计本部,东北支店土木部
- 用途:
- 洪水対策用止水壁
- 规模:
- 钢矢板製止水壁延长1.2办尘
アルミ製止水门×4门
场外排水施设×10ヵ所 - 工期:
- 2020年4月~2020年9月
(当社东北支店施工)
敷地を取り囲む止水壁の建设
弘前航空电子では大雨時の浸水被害を防ぐため,工場敷地をぐるりと囲む,高さ3m,総延長1.2kmの止水壁を建設。当然のことながら,既存の工場施設群は止水壁建設を前提とした配置ではなく,詳細調査の結果,敷地境界から敷地内の特別高圧受変電設備までの距離が70cm程度しかない場所もあった。実施計画検討の末,狭隘敷地での施工性などを含む総合的な観点から,止水壁構造は鋼矢板を選択した。
敷地外からの见え方についても设计段阶でパースでの検証などを行い,近隣への威圧感の軽减や美観を考虑した结果,押出形成セメント板とガルバリウム钢板を用いた外装を施すこととした。外装材は地震や洪水时の揺れを许容する构造の検讨によって灾害时の耐久性を担保するとともに,流木などが衝突,破损しても容易に取り换え可能なディテールを採用。エンジニアリング面が関心の中心となる灾害対策であっても,デザイン性,メンテナンス性も考虑した提案を心掛けた。
要望工期の実现
止水壁の建设に当たっては「次の台风シーズンまでに対策を完了する」との目标が掲げられた。工事の受注が决まってから半年后の完成である。実现には施工の人员确保や组织などを考虑し,调达を含めた施工工程を最大限短缩できる工法を选定しながら実施设计を进めていく必要があった。工事事务所を率いる所长には,おながわまちづくり(宫城県牡鹿郡女川町)をはじめとした东日本大震灾の復兴事业の経験者を任命。復兴の现场で採用された,设计が完了したものから顺次施工を开始して工期を短缩するファストトラック方式の経験がここでも活かされた。设计,施工,调达,积算と绵密に连携しながら,性能に加えて工期とコストの実现を叶える実行力は,総合建设业を中心とした当社グループの强みといえよう。
操业を止めない工事计画
工事は施工中を含め,毎日24时间连続稼働を実施する工场の生产能力を一切低下させることなく完了した。施设を使いながらのリニューアルや耐震补强,敷地内建替えなどの「居ながら®」工事を数多く経験している当社の知见に加え,工场で働く従业员と管理者,现场担当者间の丁寧な意思疎通なくしては実现しなかった工事计画である。
工事に携わった当社メンバー。最前列左から3人目が武地真一所长。
东北支店に饰られた「唐美人図」は,弘前ねぷたまつりでの同社のねぷた絵
スマートフォンや自动车などあらゆる电子机器に使われている电子部品コネクタ。
その国内売上トップ,日本航空电子工业のグループ会社で,
グループ最大のコネクタ生産拠点である弘前航空电子の橋本社長に,
止水壁建设についてお话を伺った。
止水壁を背にする桥本社长。止水壁には近隣の方々との融和を図る活动の一环として,市内の小中学校の子どもたちの絵を掲示している
止水壁设置决定の経纬
2019年秋,航空電子グループの自然災害に対するBCM(事業継続マネジメント)について再点検と議論を行い,弘前航空电子の洪水リスクが検討事項に上がりました。当社グループが国内5ヵ所に置く生産拠点のなかでも,主力製品であるコネクタの生産は弘前航空电子が最大の拠点です。ここがもし何らかの災害,水害などで被災し生産に影響が出てしまうと,取引先やその先のユーザーの皆様にご迷惑をおかけしてしまう。そのような事態は断じて許されないという思いから,堅固な対策の検討を始めました。
当社社屋の敷地は一级河川の岩木川と平川に东西を挟まれています。ハザードマップ上で50肠尘から3尘の浸水想定地区に指定されており,当社设立以前には1958,60,75,77年に洪水が発生し,市内に甚大な被害が発生しています。その后ダムの増设や堤防の整备が行われましたが,近年の异常気象により全国で豪雨灾害が频発していることから,翌年の台风シーズンまでの水害対策完了を决定しました。
小欧视频选出の决め手
ハザードマップで示されている最大値である3尘の洪水を想定したうえで,「工场敷地への浸水を防ぐ」という他社の工场でもあまり例を见ないような対策についてどのような具体策が可能か,まずは当社グループ内で検讨を试みたものの,なかなか妙案が浮かばない状况でした。そこで国内有数の総合建设业者さん数社に案を提出いただきました。そのなかで「高い止水技术」「きめ细かい建设计画」「次の台风シーズンまでに竣工できる工期」および「建设コスト」など,当社の要望に対してトータルで纳得性の高い提案をいただいた小欧视频さんに最终的にお愿いすることにしました。
2022年夏に発生した集中豪雨时の対応と
そこから见えてきた今后の课题
ハード面においては工场敷地内への浸水を确実に防ぐ止水壁を设置?建设していただきましたので,ソフト面では私ども社内において大雨の际の対応マニュアルを整理し,対策本部の设置や止水门の闭锁手顺などをルール化しました。年一回の训练も実施しています。そういったなかで昨夏,実际に止水门を闭锁するほどの豪雨に直面しました。8月9日の昼のことです。
翌10日までの工场の操业停止を决定し,生产业务に当たっていた约250名には安全确保のため退社を指示し,止水门を闭锁しました。闭锁后も4名が工场に残り,昼夜を通して监视作业に当たりました。
このときは大きな被害に至らずに済んだのでよかったですが,もし実际に构内で异常が発生した场合には,4名体制での対応は厳しいだろうという気付きがありました。ほかにもバルブ闭锁后のトイレ使用や,夜间の暗い时间帯になると河川水位など敷地外の情报が得られなくなる问题など,「あれが足りない,これが足りない」「こうしたほうがいい」という课题が実际の対応を経験したことでいくつか见えてきました。この度の経験を今后に活かしていけるようマニュアルの更新を図っています。
小欧视频グループへのメッセージ
今回の止水壁工事では,単なる洪水による浸水を防止する壁の建设ということだけではなくて,排水インフラからの逆流防止対策や,豪雨により构内に溜まる水,雨水の排水対策などきめ细かな提案をいただきました。また止水壁というハード面のみならず,実际の洪水を想定した止水扉の闭锁手顺や,排水バルブの闭锁手顺などのソフト面での指导もいただきました。これは当社工场建设に一期工事から携わっていただき,工场の実情をよくご理解いただいている小欧视频さんのご経験によるものだと思っています。
今后も当社グループの事业がさらに飞跃していくに当たり,新规施设の建设,既存施设のメンテナンスなどの面で,よきビジネスパートナーとして适切なアドバイスをいただけることを期待しています。
4ヵ所に设置した止水门は各约4.5tの重さがある。闭门に要する时间は约6分


