
地场の织物が使われた,建物を彩る鲜やかな网戸
カンボジアの中山间部にあるスラ?プウ村に,职业训练校と公民馆が併设された施设がある。落ち着いた赤い土色の外観が特徴の,この职业训练センターは,地场の材料を用いて地元住民たちの手によってつくられた。地域の赤土からつくった日干しレンガを积んだ壁面は,ところどころに小さな开口部があり,そこから室内へと光が取り込まれている。地元の住民が织った色とりどりの布は网戸となり,建物の开口部を楽しげに彩る。この开口部の明るい雰囲気で多くの人が建筑物に兴味を持ち,気軽に入ってくる。
スラ?プウ村に住むのは,かつて都心のスラム街に住んでいた人たちだ。国の方针でスラムが一扫された际,强制的に中山间地域へと移住させられた。その场所には十分なインフラが整っておらず,学校もなく,まとまった収入を得るための仕事も存在していなかった。そこで,地域の狈笔翱が职业训练センターを建设して住民の生活をサポートすることになった。

织物は地域の住民の手で织られたもの。明るい配色が醸し出す楽しげな雰囲気に,多くの人たちが集まる
センターを设计したのは,ヘルシンキを拠点に活动する建筑设计事务所「ルダンコ+カンクネン」である。この事务所は2010年に立ち上がったばかりで,ヒラ?ルダンコとアンシ?カンクネンのふたりが主宰している。ルダンコはニューヨークの设计事务所と一绪にプロジェクトを行っていた建筑家であり,カンクネンはバーゼルのヘルツォーク?アンド?ド?ムーロンの事务所で働いていた建筑家だった。
职业训练センターをつくるプロジェクトは,このふたりがたまたま仕事をひと休みしてアアルト大学のデザインスタジオで学んでいた2010年にカンボジアを访れたことがきっかけで始まった。地域の狈笔翱からスラ?プウ村の话を闻き,大学の演习として职业训练センターについて検讨したのである。
最初は大学の演习课题にすぎなかったプロジェクトだったが,実际に多くの人が职业训练センターの実现を望んだこと,彼らのデザインが住民たちに受け入れられたこと,狈笔翱が賛同者を回って资金を调达したことなどによって,ふたりの案は実现されることになった。そこでふたりはあわてて设计事务所をつくり,センターの设计から现场管理まで取り组むことになる。

大学の演习で発案された计画が,地域の人びとの支持を得て,実现へと结びついた
建设にはなるべく地场の材料を使うこととし,现地の工务店とともに作业を进めるようにした。なぜなら,このセンターを建设することもひとつの职业训练だったからだ。地元で手に入る材料を使って建筑物を建てることによって,それを手伝った人たちはその后も同じような仕事に就くことができるからである。そのため,すべては手作业でつくられており,地元で手に入らない机械やプレハブは一切使っていない。工法も特殊なものは使わず,谁でもわかるシンプルなものとした。その结果,より多くの地元住民を建设时に雇い入れ,学んでもらうことができたのである。
センターは职业训练のほかに,地域の住民が一绪に持続可能なビジネスを起业することをサポートしたり,コミュニティが民主的にものごとを决める际の集会所としての役割も果たしている。室内には作业场,仓库,トイレなどが含まれ,建物のポーチ部分は屋外のコミュニティスペースとして使われている。
しかし,センターの用途や形态は状况に応じて少しずつ変化している。カラフルな手织りの网戸は最近つくりかえられたものである。雨季に雨の水がセンター内に入ってしまい,运営が一时ストップしてしまったからだ。その结果,雨季の激しい水にも强い开口部分のデザインと织物网戸のアイデアが利用者のなかから导き出された。
建物のメンテナンスや,これからの施设利用は地域の利用者が主体となって运営されていくことになっている。スラ?プウ职业训练センターはコミュニティとともに成长し,生き続ける建筑物なのである。

特殊な机械やプレハブを使わず,谁もが参加できるシンプルな工法によって,建设作业は地域の住民自身の手で完遂された。ルダンコとカンクネンによれば,建て方はもちろん,日干しレンガづくりや网戸の製作もまた职业训练だった

センターは职业训练のほかに,地域の人びとが継続的な事业をはじめるためのサポート机能や,コミュニティの集会所としても使われている

建物のポーチ部分は,オープンなコミュニティスペース。壁に穿たれた孔からの光で室内も明るく,人が立ち入りやすいように配虑されていて,地域住民が絶えず集まる
山崎 亮 やまざき?りょう
ランドスケープ?デザイナー。蝉迟耻诲颈辞-尝代表。京都造形芸术大学教授。1973年生まれ。
Architecture for Humanity Tokyo / Kyoto設立準備会に参画し,復興のデザインの研究を行う。
着书に『コミュニティデザイン』(学芸出版社),『震灾のためにデザインは何が可能か』(狈罢罢出版)など。
Architecture for Humanityはサンフランシスコを拠点に世界各地で復興や自立支援の建設活動を主導する非営利団体。
参考资料
- Architects Rudanko + Kankkunenウェブサイト
写真提供: © Architects Rudanko + Kankkunen



